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「………わかった、それじゃあAランクでどうだい?」
「おう、頼むわ」
はぁ、とため息を吐いてギルドカードを発行してくるから待っててと言って去ったギルドマスター
よしよし、ここまでは順調だ。あとは記憶喪失を理由にしてこの世界の事情を聞き出して、何日か滞在したあと旅に出れば。くっくっく、完璧だな
「あ、あの、クレアさん!」
「ん?どうしたミール」
「えぇと、その、……」
「………?」
俺を呼び止めたはいいものの、どう言葉にしていいものか悩んでいる、といった様子のミール。うん、愛でたい
「わ、私は気にしましぇん!」
急に叫び最後を噛んでしまったミール。うぅ……と羞恥からくる動作にこっちのハートがブレイクされそうだ
「ぐっ、ミールの破壊力が凄まじい………そ、それで、何を気にしないんだ?」
全くと言っていいほど重要な目的語が抜け落ちていたため、理解できない
「クレアさんが……その、げ、『幻影』でも……です」
「……………」
この娘は俺を萌え殺したいのだろうか
考えても見ろ。幼女とまではいかなくとも美少女がこんな強面を心配してか、羞恥に頬を染めながら服の端をギュッと握るというオプション付きで止めに上目遣いだぜ?
俺、もうロリコンでいいや
「ありがとな」
「ふぇ?」
ポンと頭に手を置きなでなで。目を細めて気持ちよさそうにするミールにより周りもほんわか
「クレアくんギルドカード……って、なんだいこのほんわか雰囲気は」
「気にすんな。そんじゃありがたく貰うぞ」
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