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「なんでそーなるのっ」
「うふふふふ、あぁ斬りたい斬りたい斬りたい斬りたい斬りたい……」
現在俺の目の前では発狂寸前の薬中のごとく光彩のない瞳で剣を握る、戦闘狂ことアリエス
この光景を見ればどんなヤンデレも裸足で逃げるだろう。そのぐらいの闘気というか覇気というか
斬りたい?そんなに斬りたいの?じゃあ斬ればいいじゃんそこら辺の訓練生とか国の底辺とか腐った大臣とか
なに?なんなの?なんで俺なの?俺フラグはバキバキに折ってきたつもりなんだけど。やっぱ昨日の夜のあれか?そんな小さいフラグまで回収するって異世界の兄さん仕事しすぎだぜおい
しかもだ、俺も理由がわからない
なんでこんな闘技場のような場所で多くの『L・O・V・Eアリエスたん!』とかほざいてる兵士どもに観戦されながら晒されなければならん
チラッ、と闘技場の窓から外を見てもまだ月が出ているから日は跨いではいない
さっき考え事をしてあのまま寝てしまって、ドンドンとドアを叩かれてたたき起こされ開けた瞬間兵士どもが殺到。気づいたらここにいた
思い返してみてもこの現状は理不尽極まりない。せめて理由が欲しい
が、その理由を知っていそうなアリエスたんも今では凶器狂気狂喜。絶対に話が通じない
と、頭がこんがらがっていると闘技場の袖から一人の兵士が出てきた
赤い髪を肩あたりまで伸ばし、甲冑を着た女性。猫背でダラーんとしておりまるで覇気がない。そして最大の特徴は目の下にできたそれはもう大きな隈。某人柱力のごとくひどい
「えぇー、これからーアリエス隊長と罪人クレア殿の決闘をはじめますー」
『ワァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!』
これでもかというほどやる気のない声。というか出したくても出せないというような棒読みで素晴らしく変なことを言い出した
「えーなおー決闘の審判を務めさせていただきますのはーワルキューレ副隊長の苦労人ことマーズですー」
「マーズたぁぁん!」「死んだ魚のような目で俺をみてぇぇぇ!!」「あわよくばそのまま踏みつけてぇぇぇ!!!」
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