心 愛 ~高校1年③

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年が明け、学校が始まった。 郷田とは、クリスマスから一回も連絡を取っていない。 久しぶりに会う郷田の顔を平静に見られる自信がなかった。 「おっはよー」 後ろのドアから教室を覗いているときに、声をかけられ心臓が出そうになった。 「なにしてるん?」 「べ、べつに…」 郷田の顔を直視できずに、俯く。 「熱あるん?顔、赤ぇ」 郷田の手が伸びてくる。 その手を思いっきり振り払い、教室へ逃げた。 クリスマスから郷田を意識しだして、何も手につかなかった。 郷田はなんでキスなんかしたのだろう。 携帯を取り出すと、郷田からもらったストラップが光っていた。 「実はコレ、わいとお揃いなんや」 またも、いきなり声を掛けられて椅子から落ちそうになった。 しかし、郷田に腕を掴まれて支えられたため、落ちることはなかった。 掴まれた腕を思いっきり振りほどくと郷田は悲しそうな顔をした。 「そないにわいに触れられるの嫌か?」 「………」 嫌ではないが、体が勝手に反応してしまう。 自分でもどうしてこんなに過剰に反応するのかわからない。 「ちと距離置くか。落ち着くまで近づかへん」 そう言って郷田は自分の席に戻っていった。
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