心 愛 ~高校1年③

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郷田は言葉の通り、俺に近づかなかった。 いつも郷田から俺の席までやってきてくれて、話し合い、笑い合っていた。 転入してきたときなんか相手にしていないのに、話しかけてきたくせに…。 今はそれさえ懐かしい。 もう郷田と話すことも遊びに行くこともできないのだろうか? 休み時間も放課後も、誰とも話さない郷田の姿を目で追う。 郷田は今、何を考えているのだろう? 俺のことを考えてくれている? それとも、もう俺とは話したくなくて、離れたことに清々している? 郷田が転入してくる前は、いつもこうだったことを思い出した。 誰も近づいてくる者はいない。 時間がただ過ぎるだけ。 勉強をするだけの学校だったはずなのに、今は誰かと話したいと思っている自分がいる。 郷田と話したい。 笑い合いたい。 傍にいたい。
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