心 愛 ~高校1年③

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答えが出る前に、郷田を追いかけ腕を掴んだ。 「嫌だ…。行くな」 泣きそうになるのを我慢する。 「一緒にいてくれ。俺は郷田と一緒にいたい」 「………」 なにも言わないで、郷田は優しく腕を外す。そして、また歩き始めた。 「義信っ!!」 名前を叫ぶと止まってくれた。 「俺は義信とずっとずっと一緒にいたいんだ。家は家、俺は俺とあの時言ってくれた義信が、俺には必要なんだよ」 義信がいないと俺は駄目になる。 何も手につかない。 何もできない奴になるんだ。 学校の…。しかも、人前で泣いた。 涙が止まらない。 「俺が嫌いか?離れたいか?もう…キスしてくれないか?」 泣き声にまぎれて、鼻をすする。 郷田の顔を見られず、俯く。 すると、あたたかい腕に包まれた。 「好きや」 抱きしめられ、耳元で囁かれる。 「好きや。拒否られたとしても、もう駄目や。我慢せん。わいは仁が好きや」 力いっぱい抱きしめられて痛かったが、心も体も温かく幸せな気持ちになれた。
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