心 愛 ~高校1年③

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「クリスマスにキスしたんは、我慢できんかったからや。 キスしたあとは、アチャー…と思いながらも、学校がはじまるのが待ち遠しくて、 でも、怖くて、関西の実家をギリギリまで出なかったやで? 恐る恐る学校に来よったら、仁が真っ赤な可愛い顔をしておるから、つい触れたくなって手を伸ばしたんや。 そしたら、振り払われて、ショックやった。 でも、諦めきれなくてまた話しかけに行ったら、完全に拒まれておることがわかったんや。 せやから、仁への恋心が冷めるまで近づくのはやめてたのに…」 屋上の階段に場所を移し、今までのことを話し合った。 郷田がどんなことを考えていたのか、やっとわかってすっきりした。 「わいは仁のことが好きや。もう拒んでも遅いんやからな。力尽くでも手に入れるから諦めてくれ」 まっすぐ見つめられる。 やっと郷田の瞳に映っていると思うと嬉しくて顔が赤くなる。 「ずっと一緒にいてくれるか?」 「嫌といっても離れへん」 「そうか。なら、仕方がないか」 郷田の腕の中に凭れかかる。 大きな腕に抱きしめられ、心臓の音が聞こえる。 「仁はわいのこと好きか?」 「わからない」 郷田は一瞬、身体を強張らせた。 「でも…こうやって抱きしめてもらうのは嫌ではない」 そう言うと、また、力をいれて抱きしめられる。 そして、唇に郷田の唇が触れる。 「俺は、抱きしめられるのが嫌ではないと言っただけだが?」 「さっき言ってたやん。もうキスしてくれへんのか?って」 ニヤッと不敵に笑う。 俺は何も言わず、ただ身体を預けた。
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