心 愛 ~高校2年①

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住宅街に高くそびえたつマンションが一棟。 エントランスに入るだけでも厳しいセキュリティーに、もし、自分の家がここだったら絶対抜け出せそうにないと思った。 「義信はここをどうやって抜け出すんだ?」 エレベーター待ちの時に聞いてみると、義信は不思議そうな声を出した。 「はっ?なんで抜け出すん??ふつーに断って出ていったらええやん」 ここでも、また、家の差が見つかった。 やっぱり俺の家がおかしいのか…。 渋い顔をしていると、義信は慌てて訂正した。 「おっちゃんは厳しくないねん。それに、わいに恋人ができたのも祝福してくれたし」 「こ、恋人って…」 恋人という言葉が気恥ずかしかった。
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