54人が本棚に入れています
本棚に追加
住宅街に高くそびえたつマンションが一棟。
エントランスに入るだけでも厳しいセキュリティーに、もし、自分の家がここだったら絶対抜け出せそうにないと思った。
「義信はここをどうやって抜け出すんだ?」
エレベーター待ちの時に聞いてみると、義信は不思議そうな声を出した。
「はっ?なんで抜け出すん??ふつーに断って出ていったらええやん」
ここでも、また、家の差が見つかった。
やっぱり俺の家がおかしいのか…。
渋い顔をしていると、義信は慌てて訂正した。
「おっちゃんは厳しくないねん。それに、わいに恋人ができたのも祝福してくれたし」
「こ、恋人って…」
恋人という言葉が気恥ずかしかった。
最初のコメントを投稿しよう!