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義信が風呂からあがるまで、本でも見せてもらおうと、本棚の本を選んでいると、今さっき風呂に行ったばかりの義信が帰ってきた。
「カラスの行水だな」
俺は、呆れながら義信に言った。
「部屋に一人で残されても寂しいやろ?」
義信は、腰にタオルを巻きつけた姿で近づいてきた。
「はやく着換えろ」
「仁に貸したからないわ」
「嘘つけ!」
義信から借りた服を着ている俺は、ブカブカのTシャツを着ていた。
ズボンはまったくウエストが違って、掴んでいないと落ちてしまう。
「めんどっ・・・」
義信は下だけ履き、また、俺を脚の間に入れ、抱きしめる形で座った。
今度は暖かい腕に抱かれる。
背中から伝わる、義信の体温が心地よかった。
「………っ」
そう思っていたのも、つかの間であった。
首筋から小さな痛みを感じた。
「なにした?!」
後ろを振り向くと、嬉しそうな顔をした義信がいた。
「わいのもんやって印をつけたんや」
痛みを感じたところに触れる。
「痛かったぞ」
「痛いほどの愛ってことや。痛いのが嫌なら気持えぇことするか?」
義信がTシャツの中に手を入れてきた。
「ちょっ。やめろ」
義信に肌を直接触れられ、鳥肌が立った。
横っ腹と乳首が触れられた。
「やめへん」
義信は右腕で俺の腰と腕を抱え、身動きができないようにした。
無理やり後ろを向かされ、キスをされる。
いつもしている、触れるだけのキスとは違う。
義信の舌が俺の口内で遊びまわっていた。
舌を吸われ、歯の裏をくすぐられる。
そして、歯列をなぞり、逃げ惑う俺の舌を義信の舌がゆっくり追い詰めていった。
息が出来なくて、窒息しそうになった。
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