波のカケラ

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日が落ちかけた砂浜に少女が一人。 白いワンピースと日焼けした長い髪をたなびかせて。 暑さに溶けてしまいそうな、淡雪のような花を抱えて。 佇んでいるその姿は、砂の城のように儚げで。 やがて名残り惜しそうに、花束を海へ解き放った。 すぐに浜辺に打ち上げられてしまったけれども。 少女は見つめていた。
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