失った人

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すぐに分かった。 機嫌を損ねないように、嫌われないようにしていたのだ。きっと寂しい人だったのだろう。 私や仲間たちにもそうやって接していた。 だから、笑顔に一喜一憂するのはやめた。 私のような、私たちのような、人の命を奪うことを生業としている人間が、笑顔を向けられることを期待するなんて、間違っている。 そう思っていた。
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