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文久三年 十二月
その日、私は落ち着かなかった… そう、奴等が逃げ出したのだ 私は副長である《土方歳三》、一番組組長、三番組組長と 新選組唯一の女隊士、新選組総隊長の私 、《日向吹雪》が夜の京を走り回っている
『!! (いた!!)』
私は浪士をズタズタに刺しにしている《失敗作》達を発見した
ガタンガラン
『「「「!?』」」」
「あ」
「ひゃははは」
ザシュッ
斎藤が《失敗作》達を殺した
「あーあ 残念だな」
「僕ひとりで始末しちゃうつもりだったのに 斎藤君 こんなときに限って仕事が速いよね」
総司が嫌味っぽく斎藤君に話した
「俺は務めを果たすべく 動いたまでだ」
『まぁ、総司と違って斎藤君に戦闘狂の気はないもんね♪』
「うわ ひどい言い草だなあ 吹雪、まるで僕が戦闘狂みたいだ」
「……否定はしないのか」
「あ…あの…」
さっきの子供が話し掛けてきた
「でもさ あいつらがこの子を殺しちゃうまで黙ってみてれば 僕たちの手間もはぶけたねかな?」
「さあな …少なくともその判断は俺たちが下すべきものではない」
「え……?」
ダンッ
私達の背後から土方さんが出てきた そして子供の首筋に刀を添えた
「…運のないやつだ」
『本当、可哀想な子…』
「いいか 逃げるなよ 」
「背を向ければ斬る」
『約束できる?』
子供は同意を示すように首を何度も縦に降った
それを見て土方さんは溜め息をし、刀を閉まった
「え……?」
それを見ていた吹雪の肩に突然総司が寄っ掛かった
「あれ? いいんですか土方さん この子 さっきの見ちゃったんですよ?」
重い…
「いちいち余計なこと喋るんじゃねえよ 下手な話を聞かせちまうと始末せざるを得なくなるだろうが、それと吹雪を離してやれ」
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