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玄関先に自転車の鍵を置き、リビングにただ今、と声を掛け2階に上がる。
部屋に入り、何時もは真っ先に着替えるのだが、はたと立ち止まり、クローゼットのそばにあるタンスを眺める。
正確にはタンスの上あるバレッタコレクションを眺める。
幽霊のバレッタさんからもらったバレッタ。
幽霊から貰った不思議な贈り物。
バレッタを受け取らなければ彼女は決して盗った物を返してくれないのだ。
そしてこの使えもしないバレッタは日を追う毎に増え続けていく。
使えもしない、というのは文字通り壊れているからだ。
見た目は可愛いのだがバレッタの留め金の部分が壊れているのか開かない。
捨てることもはばかられたため、こうして飾っているのだ。
今日もまた貰ってしまったので、コレクションに追加する。
こんなことが何時まで続くのだろうか。
溜め息をつき、クローゼットを開けた。
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