バレッタさん

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「七尾ー?行くよー」 「あ、うん…」 ゆみちゃんに呼ばれて急いで教科書とノートを探す。 あ、れ……? 「ちょっと、まだなの?」 あ、まただ。 「……ゆみちゃん、ごめんね、先に行っててもらえるかな?」 今日もだった。 「……七尾、いっつも授業遅れて来るけどさ、あたしに何か隠してない?」 「あ、えっと…、二組の子に教科書貸してたこと忘れてて、だから」 「じゃあ、二組の誰」 「………」 思わず黙り込んでしまった。 だってゆみちゃんはいつも何も聞いてこないから。 どうしよう、どうしよう。 ゆみちゃんに嘘ついちゃった。 「ごめん、いいや。先行ってるね」 ゆみちゃんは行ってしまった。 まあ、私の所為だけどね。 呆れちゃったかな、嫌われちゃったかな? 私は二組に向かう。
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