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思わず、心臓が跳ね上がる。
やば……!
あんなに綺麗な人と目が合えば、誰だってドキドキしてしまう。
私は俯きながら、下駄箱へ向かった。
だからその時は、西条先輩が私のことをジッと見ているなんて、気が付かなかったんだ。
――――――
―――――――――……
私は教室について早々、朝の出来事を友達の飛香(あすか)に話した。
アスカは、私の唯一の心を開ける友達。
学校はあまり好きじゃないけど、アスカがいるから学校に来ることができるんだ。
「おー、あの西条先輩と目があっちゃったんだ? 良かったじゃん~」
そう言ってアスカは、長い脚を組み替える。
アスカは美人だ。
長くて艶々した黒いロングヘアーに、長い手足。
アスカが動くたびに、思わずその所業に見とれてしまうんだ。
「全然よくないよー! ドキドキしすぎて大変だったんだから!」
「あはは、あんな人と目が合ってドキドキしないひとは居ないよね~」
アスカはそう言いながら、ケタケタ笑っている。
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