†2章†

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思わず、心臓が跳ね上がる。 やば……! あんなに綺麗な人と目が合えば、誰だってドキドキしてしまう。 私は俯きながら、下駄箱へ向かった。 だからその時は、西条先輩が私のことをジッと見ているなんて、気が付かなかったんだ。 ―――――― ―――――――――…… 私は教室について早々、朝の出来事を友達の飛香(あすか)に話した。 アスカは、私の唯一の心を開ける友達。 学校はあまり好きじゃないけど、アスカがいるから学校に来ることができるんだ。 「おー、あの西条先輩と目があっちゃったんだ? 良かったじゃん~」 そう言ってアスカは、長い脚を組み替える。 アスカは美人だ。 長くて艶々した黒いロングヘアーに、長い手足。 アスカが動くたびに、思わずその所業に見とれてしまうんだ。 「全然よくないよー! ドキドキしすぎて大変だったんだから!」 「あはは、あんな人と目が合ってドキドキしないひとは居ないよね~」 アスカはそう言いながら、ケタケタ笑っている。
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