†1章†

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毎月、私のお小遣いは雑誌を買うのに飛んでいってしまう。 会計を済まし、家へ向かう。 家に着くと、母が出迎える。 「葵ちゃん、お帰りなさい」 「ただいま」 母は私の持っている買い物袋を見て、あからさまに嫌そうな顔をする。 「葵ちゃん、またそんなに雑誌買ってきて…」 あぁもう、うるさいな。 「良いでしょ、別に。部屋いくから夕飯できたら呼んで」 私は文句を言う母から逃げるように自室へ向かった。 「葵様、お荷物を…」 ああ、もう。またか。 うちに常駐しているお手伝いさん。 「うるさいな! 私のことは良いから」 彼女を振り払って、ずかずかと自室へ入り込む。
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