お花畑へ行こう

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必死で持ちこたえてはいるが、久しぶりの運動で足がガクガクする。 俺よりもスタミナがない瑞希は、明らかに青ざめている。 浜田も唇を引き結んで、立っているのがやっとの様子だ。 俺は有原先輩にボールを投げた。 思い通りに飛ばない。 有原先輩が軽く手首を返してボールを放ってきたが、受け止めると手が痺れる。 これが高校生か。 横で重い音がして、見ると浜田がボールと一緒にひっくり返っていた。 松谷先輩が驚いて、浜田に駆け寄って助け起こした。 顔ほどには怖い人ではないのかもしれない。 けれども、松谷先輩と組まされなくて良かったと心底思う。 瑞希は負けず嫌いだから平気なふりをしているが、とっくに限界は超えているだろう。
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