はじまりは最低

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始まりは、新入生の歓迎会だった。 俺達は、鳩の住みついた古い講堂に押し込まれた。 県立中上高等学校。 通称ちゅうのじょう学校。 その名の通り、学力に特徴のある高校ではないがスポーツはそこそこ盛んだ。 部活の勧誘は賑やか。 人気のあるバスケやサッカーの男子の先輩は、なるほど格好良いし話も面白い。 女子の食いつきも半端ない。 「バスケかあ、俺バスケに行く。参ったなあ、モテてしょうがないぞ」 「モテるかよ、田中正はモテないに決まってる名前だろう」 俺の明るい未来を、いきなり打ち砕いた男の名は少女漫画っぽい。 島瑞希はどうしたものか腐れ縁で、中学の時から部活も一緒だった。
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