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「男子バレーボール部の松谷です」
恐ろしく低い声が、唐突に壇上から降ってきた。
窓ガラスがバリバリと震えた。
松谷という先輩の凶暴な容貌に、新入生が静まり返った。
190cmを軽く超えているだろう。
今時、指名手配の写真にだって滅多にない悪人顔だ。
「瑞希、俺やっぱりバレーやめる」
「俺も考え直そうかな」
松谷先輩の部紹介は一言で終わった。
「入部すれば、すぐにレギュラーになれる特典があります」
俺と瑞希は、顔を見合わせた。
決めた。
そして、その決定は地獄への入り口だった。
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