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「彼女の気に入っている女の子が一人いて、その子がどうしても会いたい人がいるって……君のことを彼女に話したらしいんだ。そしたらどうしても彼女に会わせてあげたいって」
「それが俺だと?」
イケメンの青年は黙ってそう頷いた。
「……あんたは俺に何かしてくれるのか?」
「君を転生してあげるよ」
「そうか……だが、俺に何のメリットもない。よってその提案を受け入れることは出来ない」
「メリットか。それならあるよ。君の生きる意味。死神曰く、君に会いたいと言っていたのは君の妹君らしいんだよ。僕も実際にあったわけじゃないから確認はできないけど。確かに転生した人間のリストに君の妹の名前があったよ」
「……生きているのか?」
青年はちょっと待っててねと書類の山を漁っていると誰かに服の裾を掴まれる。
振り返るとあの時の小さな子供が立っていた。
「元気そうで何より」
その子供の口調はあのときは違い何ものにも動じない冷静さを兼ね備えていた。
「君に妹の頼みで君を殺した。『僕は悪くない』なんてことは言わないし、それに本当にたまたま偶然だったんだよ。それにまさか助けられるなんて思ってもいなかった」
その子供はそう言った。
何を言っているのか全く理解が追い付かない。
要約するとこういうことになる。
死神と名乗る子供は俺を殺すために地球へ来たのだが持前の方向音痴を発動し迷子。
そしてあの場所を歩いていると偶然標的である俺がその場所に通り掛かる。
俺を殺そうとするが逆に助けれてしまう。
つまりこういうこと。
「妹が生きているのなら俺は……いや、人間の人生は一度だけ……はやりその提案を俺は断る」
「そんなことをすると妹は死んじゃうよ」
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