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神と名乗る青年は笑顔でそう言った。
笑顔で言うにはあまりにも残酷なことだ。
俺の表情は急変する。
そこに表れたのははっきりとした怒りだった。
「そう。君は妹のためにそこまで怒ることが出来る。その妹君のそばにいてあげたらどうなんだい?それに君自身その方がいいと思うのだけどどうだろう?」
エグイことをさらりと言うこの男を俺はどうしても信用できない。
死神も苦笑している。
「諦めた方がいいよ……それに彼女は彼の加護を精一杯受けているから簡単に死ぬことはないから安心しなよ……」
「もう一度訪ねるよ……君は転生するかい?するのであれば何点か……君の望むままのステータスをあげよう。君の運命を狂わせてしまったのは」
「別にお前に狂わされたわけではない。それにあの人生は俺が決めて俺が行動しただけのことだ」
誰かのせいにするつもりはない。
自分の人生。
自分の行動の結果は自分で責任を取る。
それが俺の流儀。
「俺の望みは……お前と同等、それ以上の力がほしい」
無理な願い。
だが。
「なんだ。それくらいならいくらでも……君は力を悪用するようなタイプではないからそれくらい了承してあげるよ、他には?」
「なら……妹に気付かれないように容姿は変えてくれ。俺に会いたがっているところ悪いとは思うが。あいつも二度目の人生を送っているんだ……こんな兄貴のそばになんかいたくないだろうし」
それに俺があいつのそばにいたくない。
失うのが怖いから。
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