第1章 新しい場所

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医者の伊藤に連れられ、音無の病室に行く。 「記憶喪失って謎っすよね~。どこまで覚えててどっから忘れているのか、わかんないっすよね~。」 「ああ。日本語を習った過程を忘れているのに、話せたりするしな。」 「どういうことか、わかります?伊藤さん。俺は全っ然わかんないっす。」 「私もわからないですよ。私は専門じゃないので…。」 「ちょうどいいところに!先生大変です!音無くんがっ!すぐに病室に来てください!」 看護婦さんが、真剣な顔をして走ってくる。 「な、何があったっ!」 「と、とととにかくっ病室に来てください!」 「分かった。すぐにいこう!」 「…な、なにがあったんですかね?」 新垣が不安そうに訊いてくる。 …刑事失格じゃねぇか。
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