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拓「あ~着いた着いた~。」
俺と守は電車を下りて重い荷物を持って駅を出る
駅の周りにはバス停がポツリとあるだけだった
他に何か建物があるわけでもないしコンビニや喫茶店などもちろんない
俺達の目の前に広がっていたのは殺風景な景色だけだった
守「何もないね?」
拓「ああ。まったくだ」
守はあ然とした感じで辺りを見ていた
何を思っているのか分からなかったけど決して嫌ではない顔をしている
むしろ初めて見る景色に興奮した様な表情をしていた
俺こと藤宮拓と守は兄弟だ
俺が高校2年生で守は中学1年生。
俺達は都会で今まで生活をしていた
しかし、親の仕事の関係で母親の実家で暮らす事になった
正直田舎は嫌いだ
田舎と言えば何にもないイメージがある
遊ぶ所もなければお店だってない
現にこうして駅に着いたがやはり何にもない
俺はこっちに来ることは最後まで嫌だった
しかし俺達はこの町に来ないと行けない大きな理由があった
それは、守の体のことだった
守の体の事を考えたらこっちで暮らした方が負担が少ないと母親に言われて渋々行くことを決めた
守は小さい頃から肺が弱く走ったり激しい運動をすると咳がとまらなくなる
そして、頻繁に熱をだしたりなど体が弱い
その事を俺は良く知っていた
だからこそ渋々ではあったが母親の提案を受け入れたんだと思う
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