変身難

光難

「といっても、こんな平和な世の中じゃあなんにも起こんねぇよなあ…」

彼もまた例外ではなく、非凡を求めている。

そしてそれは現実となる。

彼が呟いた次の瞬間、空が激しく光を放ち彼を、否、街中をその光が包み込んだ。

それはまるで世界が終わってしまったのではないかと思われる瞬間だった。

「う、うわっ！」

その光に反射的に目をつむって眩しさを防ぐ誠。

しかれど、光はすぐに収まり、彼の身体には何の異常もみられなかった。

「な、なんだったんだ…今のは…」

誠はこの現実に動揺を隠しきれていない。

このような非凡を求めていたはずだったが、実際に起こると結局は何もできないのが人間の性なのである。