狐でした

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「ってことは何、家が無くなったから一番始めに声かけてきた奴に着いてきたと?」 「はい!」 こいつの説明はこうだ。 ずっと棲みかにしていた祠が都市開発で撤去された。しかし祠ではなく土地に縛られていたこいつは動けずホームレスになっていたと。 そこに偶々通りかかって声をかけた自分に憑いてきたらしい。 「声をかけるもなにもあんたに会った記憶も無いんだけど?」 「そんなぁ。『なにお前人懐っこいな、迷子か?』って頭を撫でてくれたじゃないですか」 困っているのか照れているのか奴は眉を下げつつも若干顔を赤くしている。 なんだよ!そんな顔しても可愛くないぞ!? 理不尽な怒りに捕らわれながらもそいつの言葉で思い出した。 「それじゃ、あんた昨日の犬か?!」 「犬じゃないです!狐です!」 「こだわるとこそこ!?」 ツッコミを入れた所で目覚ましが鳴り始めた。 「やば、バイトに遅れる」 「バイト、ですか?」 不思議そうに首を傾げるのを横目に立ち上がり朝食とバイトに行く準備を始める。
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