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「狐ねぇ」
夕べ小犬を拾ったのは確かだけども。
朝食は簡単にトーストとスクランブルエッグに前日の残りの惣菜。一人暮らしだとこんなもんでしょ。
自称狐の青年にも用意してやると行儀よく座って食べている。
「けど拾ったのは小狐、人外のイケメンを拾った覚えはない」
「ウソじゃないです。ほら」
そう言った途端ポフッと煙に包まれ、一瞬で小狐の姿に変わった。
「う......」
イスに座りテーブルの上に顔だけ見せている小狐。あまりの可愛さにガン見してしまう。
『どうでしょう。信じてもらえました?』
「うぇ!?なんか聞こえた!」
昨日見たままの可愛らしい毛玉に思わず手を出そうとした瞬間、幻聴の様なつかみどころの無い声が聴こえた。
『この姿では喋られないので直接言葉を送っています』
「お前、ホント何?」
頭に直接響く声に思わず呟くと小狐は立ち上がり前足をテーブルの上に置いた。
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