祐一の転勤

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このタカと呼んだ男、名前は辻井(つじい) 孝弘(たかひろ)と言い、役所に勤勤めている。 熱血感あふれる男で、時々古臭い説教をしたがる。そんな性格だけど、仲間のまとめ役として僕は頼りにしている。 転勤する『ユウ』は、(さかき) 祐一(ゆういち)と言い、全国に支店のある建築会社の設計士だ。 早くに父親を亡くしてからは、母親との2人暮らしだ。親思いの優しい男だから、母親を残しての転勤には不安を感じている事だろう。 僕は、この祐一を、弟のように可愛がっていた。その祐一が遠くに行く。やはり寂しいが、祐一の将来のためだと思い、おもてには出さず、(こら)えることにした。
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