俺の妹がこんなに携帯小説好きなはずがない。

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「『ジョジョ』の『スタンド』と一緒やで。変態同士は惹かれあうんや」 「……いまの僕には携帯小説は必要ないかもしれませんが、携帯は必要です。というか、警察が必要です」 「あかんで。妹子。お前行ったら捕まるやん」 「俺は変質者じゃありませんっっ!!」 「だって俺たち、男なのにメイド服で仕事しているんやで」 「私生活でこんな服着ているわけないでしょう……」 「妹子」  美馬が、低い声で言った。 「妹子は自分の仕事服に誇りをもてないのかい?」 「これはあんたに半強制的に着せられたようなもんなんだよっっ!! というか、式部の身の危険がすぐそこに迫ってんだよ! 仕事着どころの話じゃねぇ!」 「へえ、それは大変だね」 「お前がその危険の原因だろうがっっ!!」 「危険? 僕はまだ何もしてないよ」 「何かしてからじゃ遅いんだよおおおおおおおお!!」  俺は美馬の胸ぐらをつかんだ。 「早い話がうちの妹に手を出すなっつってんだよっ! この変態界のCR7がああっっ!!」  美馬は首を横に振った。 「妹子はわかっていないな。昔の人も言っているじゃないか。やらないで後悔するよりもやって後悔する方がいいって」
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