第1話

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クラスの連中は、さっさと帰る奴もいたり教室に残りお喋りをしている奴も居た。 俺はわら半紙とにらめっこ。野球部と書くのに躊躇いがあった。正直、入りたくない。 けど、マネージャーならと。 「まだ、書いてないのか?」 だったら、オレが書くと橘は俺のシャーペンを取り、勝手に名前と部活名を書いていた。 「字…汚な」 橘の字はミミズが這ったような字だ。読もうとすれば、読めるが汚い。 「う、煩いな」 「俺も思ってた」 「真人まで」 不貞腐れる橘に俺と小金井は苦笑した。 「それじゃあ、グラウンドに行こうか」 「おう!!」 「今日は…」 行かないと言おうとしたが、両腕を掴まれて何とも言えなかった。 逃げ出す機会が失った。
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