第1話

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グラウンドは学校から徒歩で5分かかる。 「俺、マネージャーだからな」 「それを決めるのはキャプテンだから」 小金井の言葉に俺は目をパチクリさせた。 「いやいや、キャプテン関係無いんじゃないの!?」 「さあー、どうだろう」 適当に答える橘に俺は溜め息を吐いた。 「到着!!」 グラウンドには厳しい声が響き渡る。 あぁ、この緊張感。久し振りだなと感じた。 「「こんにちは!!」」 二人は躊躇いもなく、グラウンドに入る。躊躇う俺を橘は俺の腕を引く。 「こ、こんにちは」 「出倉!?」 「あ、輪島…」 野球部に入らないと今朝言ったばかりなのにと、内心気まずかった。 走ってこっちに向かってくる輪島に俺は視線を下ろした。
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