遊糸のような喜び

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ガスマスクの男の一人は首元に金属の物体を当てている。 ………恐らく、スタンガンだろう…。 もう一人の男は縄を…包丁!?…で切っている。 オレの手が自由になる………オレは高揚した。 早く………早くほどいてくれ……逃げられないのはわかっているが一つ自由になるということがこんなに心から嬉しいことだと思わなかった。 雑に縄を切られ、縄に締め付けられている腹の部分が痛かったが、そんなことより早くほどいてくれという気持ちがまさった。 縄が切れた瞬間、これが昇天というものかと心底噛み締めた。
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