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世界の時が止まったかのような静けさだった。
神原喜代美の目から感情を読み取ることが出来なかった。
氷のように硬く冷たかった。
神原喜代美は何の感情も入れないで喋り始めた。
「じゃ答えを聞くよ。あなたは私の生まれた土地に来て、そこで一生を終える。ハイなら首を縦に一回動かして。イイエなら首を横に振って」
神原喜代美の目とは裏腹に声はとても優しかった。
何の感情も入っていないが、さっきまでの威圧的な喋りはどこかにいっていた。
事務的でもあり、どこか諭すようでもあった。
頭はボーッとしているが、オレの答えは決まっていた。
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