ハンシュウ

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………鈍い頭痛と共に起きた。 鼻に付いたのは木の匂いだった。 木の匂いと言っても、その家その家が持つ独特の生活臭で、嫌悪感を与えられるものではなかった。 長年蓄積したものがこの家を支配している。 オレは羽毛の掛け布団にくるまって寝ていた。 布団でしっかり寝たのは久々だった。 鈍い頭痛は睡眠薬のせいだろうか…。
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