その過去にわななき、狼狽する

13/19
前へ
/740ページ
次へ
「さっきも言ったけど、手綱は時折緩めないとすぐに切れる。さすがの極限状態でも自分の父親が死んだことに余程ショックを受けたんだろうな…。手綱は切れて、オレのオヤジの隙をみて、親戚に連絡してしまったんだ。そうなると時折、アメを与えられていた母親が怒り出したんだ。母親の方が狂ってるよ。娘は一瞬正気になってナイフを隠し持ったんだろうね、母親が娘の首を絞めて殺そうとしたところに娘がナイフで刺したんだ。母親はそのナイフを奪い取って娘を刺した」 オレはもう聞きたくないと思った。 「それで二人共死んだんだよ…。そしてここで驚くのが…」 オレはもういい、もういいと思った。
/740ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3595人が本棚に入れています
本棚に追加