その過去にわななき、狼狽する

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「ウチのオヤジは口が上手いくせに作家なんだ。日本で本を出す度にそこそこ売れるんだ。いや、一本ちょっとしたヒットを出したことがある。たまにいるじゃん?何でも出来る奴って!それがウチのオヤジなんだ…」 「外貨って?日本で本を出してそこで儲けて金をハンシュウに入れるっていうこと?」 「そう…。外貨を獲得するのって大変だからね。ハンシュウは選挙もないし、国主ってのはいないけど、何となく仕切る人間が生まれる。今、オヤジが何となく一番偉い…。ハンシュウの核はオヤジの手の中にある…」 「…核が?」 「さっきお兄さん、核を管理する仕事をしているって言ったじゃないですか?それって関係あります?」
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