生ゴロシ

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「宗教的…」 「言い伝えだけど、その昔鬼が村を襲った時には村人は力を合わせて鬼を退治したんだ。だからこの国…その当時は村だけど…結束力が強い。時代も変わり鬼が現れなくなると結束力が弱まる。その時に結束力を固める為に悪いことをした人間を鬼に見立てて全員で殺す。大正の終わりから昭和にかけての話だよ。判がない時代は拇印…当時は手形を家に付けて、貯まるとその家の人間は鬼と見なされるんだ。拇印を読み取れない人間は人間じゃない…鬼だと判断される。そして儀式が始まるんだ。つまり殺す時にかごめかごめの歌を歌う。あの歌を歌い周りを村人で囲み、そして囲まれた人間に鬼を本格的に憑依させようっていうのが宗教的儀式なんだよ。鬼になれば村人は遠慮なく殺せる。…ちなみにそれを子供が真似をして日本に広まったんだ」 かごめかごめにそんな意味があるなんてオレは初めて知った。 「…残酷な儀式ですね?」
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