センチメンタルロマンティスト

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「オレが死んだ後にこそ救世主として威光を放つのに時期尚早だ!!」 オレとカガワは黙った。 神原喜代美の父親は不機嫌そうにバーボンを注いで飲む。 「憎くはないんだ…。かと言って正直愛してもいない。自分でもわからないんだよ。持て余している。まぁいい、恥をかけばその分だけ跳ね上がる。喜代美に華を持たせておいて後でひっくり返せば、その分オレに国民は傾倒する。そんなもんだ」 「結婚でもすればいいんですがね…」 「本当だよ。女なんて結婚して家庭を愛せば、野望なんてなくなる。喜代美に外交なんて無理だろ?」 外交? オレはこの場に相応しくない単語が出てきたので引っ掛かった。
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