センチメンタルロマンティスト

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オレはゾッとした。 オレは本当にこの男は人をコントロールすることが出来るのだろうと思った。 冬なのに頭の皮膚にうっすらと汗をかいた。 「まぁいい、じゃ話そう!ハンシュウが本当にあるかどうか…。今現在、国連に加盟している国は193ある。世界と一口に言っても今世の中が世界と言っているのはこの193の国のことを指す。国連に加盟していない国は世界に入っていないんだ。つまり知名度もないし、品格もないと見なされる。世界からみると無視されるべき存在なんだ。しかしこの193以外にも世界には国が数限りなくある。地域やその人の考え方、概念で国の数はだいぶ変わる。例えばアフリカの奥地に行けば村と言われる小さな共同体がある。それは国の中にその村があるととらえられるかも知れないが、その村からすれば国に入っているという意識がないかも知れない。それはそうだろう。国に何もしてもらってないし、恩義もない。そこでは村こそが1つの国なんだ。村のルールに従って生活をしているし、これから先もそうだろう。つまり国として…今言う国は国連に加盟している方の国だ。国として機能しているかどうかなんだ。もう1つ例えればロシア国内のチェチェンなんかはどうとらえる?北キプロスは?プエルトリコは?マルタ騎士団は領土すらない。今挙げた国は知名度があるが、世の中にはオレらの知らない国が無限とある。これから先、各国は…ここでは加盟国の方だ…加盟していない国をどうしていくか…どう利用していくか…どう支配していくかが課題なんだ。アメリカはハンシュウを利用して日本を本当の意味で支配しようとしている。…日本は…すでに…国として機能を失っている…」 「…どうしていくんですか?」 神原喜代美の父親は突然笑い出した。
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