センチメンタルロマンティスト

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「僕の弱い部分でもあるんだが…センチメンタルなことを言うよ。ロマンティストと笑わないでくれよ…僕は…日本出身だろ?あの国にまだ希望を捨ててないんだ」と言い神原喜代美の父親は下を向いて照れ笑いをした。 「誰かが指揮をちゃんと取り、信用出来る人間を集めてあの国をまとめ上げ、世界にも誇りを持てる国に…国民も胸を張って日本人ですと言える日がくるのを…今…胸を張って日本人ですと堂々と言える奴はただの馬鹿だよ…いつかそういう国になって欲しいという夢」 神原喜代美の父親は酒で顔を赤らめていた。 カガワは黙っていた。 電気の音なのだろうかジジッという音が聞こえる。 「……喜代美は目先のことしか考えていない」
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