掻き分け合う

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神原喜代美の父親はオレの目をジッと見る。 神原喜代美の父親はさっきより赤ら顔になっている。 「……そういうことか。確かに説明していなかったね。君は核を持って独立したと思っているんだね?だとしたらここ2、30年の歴史しかないと思っているってことか…オレも詳しくは文献がないから聞いた話でしかないけど、ハンシュウという国が成立したのは大正の終わりから昭和の初期だと聞いているよ。村としては存在していたが、国としてはその位かららしい…。その時々で色々な歌い方をしていたかごめかごめにキチンと歌詞をつけたのもその頃みたいだ。歌自体はもっと前からあったみたいだけどな…。まぁ言う程は歴史は古くはない。核を開発したのは先代で、オレは受け継いでいるだけ。今は核がカードになっているけど、その前は国の重要機密を握っていたし、その前は差別を受けていた地域だから国がハンシュウを相手にしていなかったみたいだ」 「何故その情報が日本に流れないのですか?」
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