余光

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「恥ずかしい話だが、今頼れるのは君しかいない」 オレは頷いた。 そしてどうすればいいかを聞いた。 「喜代美が今何をしているのかわからない。つまり何を企んでいるかわからない。外に出て喜代美に見つからず、丘を降りて二股の道があるから左の道を進んでくれ。そこに民家がいくつかある。茶色い塀の家にアベカワという人が住んでる。その人に今晩、いや、早ければ早い程いい。喜代美を…かごめに掛けると伝えてくれ!そのアベカワという人はこの地域の連絡網を司っている」 神原喜代美の父親は泣きむせびながら喋っているのできちんと聞き取れたか少し不安だった。 場所と名前だけはもう一度確認した。 「喜代美だけには絶対見つかるな…あいつは何をするかわからない。手錠を外して、外にいるだけであいつは気が狂ったように君に攻撃してくるに違いない…」
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