3595人が本棚に入れています
本棚に追加
冷徹で怒りに満ちた声だった。
単語が途切れ途切れなのが怒りを表している証拠だった。
オレは足の先から頭のてっぺんまで鳥肌が立った。
まるで首が錆びたようにギシギシといっているようで振り返るのに時間が掛かった。
振り返るとそこには神原喜代美が立っていた。
髪が風でなびいて顔を隠した。
オレを睨んでいる目だけが見え、両手は握り拳を作っていた。
その拳は怒りのせいか震えていた。
最初のコメントを投稿しよう！