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何を言っているか内容はわからなかった。
しかし神原喜代美の声を聞くと安心する。
どのくらいの距離が離れているか、そしてオレの知っている範囲に神原喜代美がいるということが逃げる人間にとって敵の所在がはっきりする。
神原喜代美にとってここは生まれ育った土地だから何かの近道を知っている可能性がある。
オレはただ無我夢中に直進してきただけで、自分のいる場所が一体どこなのかさっぱりわからなかった。
土地勘がないのがこんなに不利なことだと改めて思った。
オレは今までそんな場面がなかったので、自分が方向感覚が鋭いのか方向音痴なのか考えたことがなかった。
先ほどよりも神原喜代美の声が小さくなっている。
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