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オレは登ることに集中をしながらも神原喜代美の声を聞き落とさないようにしなければならなかった。
神原喜代美の声はまだ小さかった。
低く生えている枝に掴まっている時は登れるが、何か掴まるものが無ければ転んでしまう。
オレの膝、肘は泥だらけになった。
少し登っては擦れ落ちる。
回り道をした方が早いか…。
いや、暗くなってからだと本当に道に迷うかも知れない。
枝を掴むまでは胸を地面につけ、よじ登り次の枝や草木を掴むがそれも抜け、またずり落ちる。
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