篠突く模索に浪費するが絞り出す

26/27
前へ
/740ページ
次へ
顔についた泥は冷たかった。 五感が集中していない自分に少し腹が立った。 全神経を集中すれば、掴むべきものはわかるような気がした。 それが泥が冷たい、虫が這うなどに気持ちが取られるから弱い草木を掴むんだと思った。 下から5メートルは進んだ。 頂上まであと15メートル程だった。 またしてもすぐに抜ける雑草を手にしてしまって抜け落ち、少しでも下がらないように顔を地面に擦り付けた。 「見つけた…」
/740ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3595人が本棚に入れています
本棚に追加