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「ゴード、巻き込んでごめんね。君が居なかったらみんなのこと助け出せなかったけど……ゴードの目的とは違うことをさせてしまって」
「ん? あぁ、そうさなぁ、気にせんでも良いぞぉ。言ったけどおいちゃん暇だしなぁ、余生を自分を鍛える為にだらだら旅してるしがない賞金稼ぎさぁ」
「賞金稼ぎって何?」
聞いたことのない単語に反応するレインに、ゴードは「そのまんまだぞ」と緩く頷く。
「例えば、そこに居る黒いにーちゃんが賞金首、つまり犯罪者だとするだろぉ」
「うん、ゼオンは賞金首だよ」
「そうなのかぁ、じゃあそいつを取っ捕まえて持ってくと、かけられてる金額を貰えるんだぁ。それで生活を遣り繰りしてるのが賞金稼ぎ、ってなるなぁ」
「つまりゴードは悪い人たちを捕まえるの?」
「オレ見ながら会話すんのやめてくれねぇかな?」
「そんな大層なモンでもないさ、出来ることをして稼ぐ、それだけさなぁ」
ゴードの話を聞き理解したレインは頷いた後、「でも」と眉を下げた。
巻き込んだことには代わりはない。
それを言い淀むレインに、ゴードは「レイン」と声を掛ける。
「おいちゃんは好きで手伝ったんだ、友達の為にな」
「ゴード……うん、ありがとう」
「ただなぁ、おいちゃん、また目的なくて暇なのよ。もしレインが良かったら、その旅についてっても良いかい?」
「え?」
突然の申し出に目を丸くするレインに、ゴードはよっこらせと立ち上がりながら斧を肩にかける。
「ただ一人で旅をするより、レインについてった方が色々ありそうで楽しそうでなぁ。用心棒みてえな感じで構わんよ」
「え、えっと……、ゴードは、それで良いの?」
「勿論さぁ。駄目なら諦めて、そこの黒いにーちゃん引っ捕らえて、今日の晩酌代にするぞぉ」
「このおっさん脅してくんだけど」
「おじさん、ゼオン連れてってくださいです!」
「チビはケンカ売ってくるし」
意見を求められるレインに、ユティがそっと視線を向ければ、それに気付き仕方なさそうに笑った。
「良いよ、ゴードがそう決めたなら。一緒に行こうよ」
「おぉ、よろしくなぁ」
「うん。それに一応ゼオンも一緒に行くって約束した仲間だから、捕まえちゃ駄目だよ」
「おう、わかった」
「ま、待っておくれよ」
緩く頷くゴードに頷き返すレインへ、アーネが慌てて声を上げる。
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