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レイはこの空気を払拭するようにカリムと同じように身体の前で腕を組み足を自分の机に上げる。
「カリムさんはどこの課を希望しているのですか?」
突然の事でカリムが一瞬きょとんとしたが、その後、似てねぇと笑った。うるせぇと恥ずかしさを隠すように悪態を吐く。
「俺は公安課だ」
公安課とは主にマフィアやテロリストを相手にする課で刑事課と同じく危険も多い配属先である。一年目の警察官が担当するのは雑務だろうけど。
「カリムが公安課!? カリム自体がマフィアっぽいのに!」
マフィア似の警察官がマフィアを捕まえるなんて考えるだけでも笑いがこみ上げてくる。いや、少年課だったら怖すぎて少年犯罪が無くなるかも。
「うるせぇ! 顔は関係ねぇだろ!」
カリムは笑いながら怒る。カリムが少年課に行って少年犯罪を無くせるかもしれない、という淡い期待を抱きながら理由を尋ねた。
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