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そんな会話をしていると、教室の扉が開いて警察官としての制服を着崩した男が出席簿代わりに茶色の封筒を肩に担いで緊張感のない声を発しながら教卓の前に立つ。怠慢教官でも卒業式には私服では来ないようだ。
「オメーら、席につけ」
そう言ったのは任のゲイツ教官。ゲイツ教官はスキンヘッドで厳つい顔をしているがいつも怠けいるので入学式で見た時以来、誰も怖がらない。生徒間では、怠慢教官と呼ばれている。適当な行動や連絡など本当に教官か疑わしい。
「今日はオメーらの卒業式だ! クラス全員が卒業できて先生は嬉しいぞ!」
ほとんど入学して半年でだが警察学校から自主退学者が出ることが多い。そう考えると退学者を出さなかったこのクラスは優秀なのかもしれない。しかし感動的な言葉も鼻をほじりながら怠けて言っているからか感動しない。
「オメーらの卒業後の所属場所について話すから、よく耳をかっぽじって聞けよ」
ゲイツ教官は鼻くそをほじり近くに居た生徒に飛ばす。服にくっついたがその生徒は気付いていない。本当に俺達の卒業を祝っているのか甚だ疑問に感じる。
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