119人が本棚に入れています
本棚に追加
ヒュッと、沈黙の最中に息を飲む音がして、次に堪えていた激情に涙する少年の声が響いた
「…黒薔薇」
遠く陰る月を見上げ、あえて黒薔薇を見ずにスウィンジが言葉をつぐ
「カンテラは…記憶を何も持っていません。ミクサという人物と同じ顔をしていても魂を内包していても、彼はミクサではない」
「それでも…いい!」
嗚咽混じりの呟きとともに、今度は笑いながら泣いている黒薔薇が答えた
「また…会えた…!」
その姿を見ながら小さく、貴方はリルヴィとは逆なのですね、と伝えてからまた空を見上げた。
黒薔薇さんの話で、黒薔薇さんはすでにカンテラを知っていたようだったので、どう知ったのか考えたらこうなった
最初のコメントを投稿しよう!