苺チーズケーキ

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「わたしたち、結婚します」

と丸い文字の上には可愛らしい模様が並んで、更に上には幸せそうに笑う私の幼なじみと綺麗な真っ黒で長い髪の女の人の写真。
自分の髪は短くて、傷みな無いものの明るい茶色。生まれながら、茶色。

溜息をついた。
結婚式、何を着よう。
姉に借りたスーツは色気の無いごく普通なパンツスーツ。色気は本当に皆無。姉はドレスを着るらしい。
溜息。
いい加減女なら腹を括らねばなるまい。
明日は、私の初恋の人の結婚式だ。
優しそうな笑顔を浮かべる柊屋充に、柊屋雪さん
あーいやんなるな、本当。
大好きだったんだよ、充。
気付かなかったのか気付いていなかったのか。
あんたは女の私より小悪魔な気がするよ、ほんと。

さようなら私の初恋、何てばかみたいな事を考えながらぽいっとごちゃごちゃの机にはがきを捨て置き、飛び込む様にベットに横たわる。
明日は憂鬱だけど、何時もより長く重く感じた一週間の疲れと明日を重く考え過ぎて何故か凄く疲れた。
起きてから考えよう、明日についてからは。
視界の横目にクリーニングから受け取ったばかりのスーツを入れながら、ゆっくりと私は目を閉じた。