クロとボク物語

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クロとボク物語

 僕は、昔から絵を描くことが好きだった。  赤、青、黄。好きな色を好きな量混ぜ合わせ、好きな色を作る。そして作った好きな色を、一枚の紙の上で好きな様に組み合わせ、自分だけの世界を創り上げる。  まるで自分が神様になったかのよう。そんな風に考えると、ワクワクが止まらない。  だから、絵を描くことが大好きだ。  そんな僕には、一人の友達がいた。  彼は、いつもニヤニヤしながら僕にいたずらするお調子者だ。  だけど、僕よりも少し大人びていて、僕よりも少し世界を知っていて、僕よりも少し……ほんの少しだけ、かっこいい。  彼と出会ったのは、小学生の頃。2年生の夏休みだ。  彼の名前を、クロという。
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